映画『フルートベール駅で』
映画『フルートベール駅で』
何も知らずに見始めて冒頭、「事実に基づく」の記述。なんか感動の作品かと思いきや、続いてすぐに駅に居合わせた人が撮影した実際の映像。なんだこれは。
どうやら2009年1月1日にカリフォルニア州オークランド市のフルートベール駅で起こった事件を題材にして撮られた作品であるらしかった。
撮影の背景は知ったことではない(wikipediaにいろいろと書かれている)が、良くできた作品で、物語もきちんとまとまっていたと思う。
僕が気づいたことと言えば、トヨタの車が使われてるのが気になったかな。なんかあんのかね。あとは電話だな。2009年だからまだスマートホンになる前なんだけど、電話の表現が斬新だった。メールにしろ発着信にしろわかりやすい表現だと思った。もっとこのやり方が増えればいいのに。
あとはこの映画に限ったことではないんだけど、愛情の表現がストレートだなと。外国の人全般なのかな。恋人はもちろんこの映画では母親に対して「ハグしてよ!」って叫べるのすごいなって。成人した大人の男がね。
他の作品でもそんな表現がいっぱいあって、両親に兄弟に家族に妻に、息子に「愛してる」ってさらっと言えるのが当たり前の文化が良いなと改めて感じたかな。
以下AIによる。
映画『フルートベール駅で』
2009年1月1日、米カリフォルニア州オークランドのBARTフルートベール駅で、22歳の黒人青年オスカー・グラントが鉄道警察官に撃たれて死亡した実在の事件を題材にした作品です。ライアン・クーグラーの長編映画監督デビュー作で、後に『クリード チャンプを継ぐ男』『ブラックパンサー』へと続く、マイケル・B・ジョーダンとの最初の長編タッグでもあります。
公開日: 2013年7月12日(アメリカ)
※2013年1月19日、サンダンス映画祭で初上映
監督: ライアン・クーグラー
原作者: なし
原作: なし/2009年に実際に起きた「オスカー・グラント射殺事件」を題材としたオリジナル脚本
映画脚本: ライアン・クーグラー
撮影: レイチェル・モリソン
原題: Fruitvale Station
配給: クロックワークス(日本)/The Weinstein Company(アメリカ)
劇場公開日: 2014年3月21日(日本)
ジャンル: ヒューマンドラマ/伝記ドラマ/社会派ドラマ
製作年: 2013年
製作国: アメリカ
上映時間: 85分
映倫: PG12
字幕・翻訳: 日本語字幕あり。字幕翻訳担当者名は公開資料では確認できませんでした
音楽: ルドウィグ・ゴランソン
主題歌: 特定の「主題歌」は設定されていません。エンドタイトル曲を含む劇伴はルドウィグ・ゴランソンが担当しています。
主なスタッフ
製作: フォレスト・ウィテカー、ニナ・ヤン・ボンジョビ
製作総指揮: マイケル・Y・チョウ、ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタインほか
美術: ハンナ・ビークラー
衣装: アジー・ゲラード・ロジャース
編集: クローディア・カステロ、マイケル・P・ショーバー
キャスト
オスカー・グラント3世:マイケル・B・ジョーダン
22歳の主人公。恋人ソフィーナとの間に幼い娘タチアナがいる。過去には服役経験もあり、失業中。人生を立て直そうとしている青年。
ソフィーナ・メサ:メロニー・ディアス
オスカーの恋人。タチアナの母親。
ワンダ・ジョンソン:オクタヴィア・スペンサー
オスカーの母親。12月31日が誕生日。
タチアナ:アリアナ・ニール
オスカーとソフィーナの幼い娘。
カルーソ警官:ケヴィン・デュランド
BART警察官。実在の警官トニー・ピローンをモデルとする人物。
イングラム警官:チャド・マイケル・マーレイ
BART警察官。実際にオスカーを撃ったヨハネス・メーサーリーをモデルとする人物。
ケイティ:アーナ・オライリー
オスカーが以前働いていたスーパー「Farmer Joe's」で出会う女性客。
ケイトー:キーナン・クーグラー
オスカーの友人。Farmer Joe'sで働いている。
ブランドン:トレスティン・ジョージ
オスカーの友人。
ダニエル・ケイル:ジョーイ・オグルズビー
オスカーと刑務所時代から因縁のある男。
カルロス:マイケル・ジェームズ
オスカーの友人。
グランマ・ボニー:マージョリー・シアーズ
オスカーの祖母。
シャンテイ:デスティニー・エクウェメ
オスカーの姉妹。
ヴァネッサ:ビアンカ・ロドリゲス
クリスの恋人。
クリス:ジュリアン・キーズ
オスカーの友人。
ジェイソン:ケニー・グリフィン
オスカーの友人。
ティム:トーマス・ライト
オスカーの友人。
セファス:ジェマル・マクニール
オスカーのおじ。
ダリル:スティーヴン・クレイグ・ジョンソン
オスカーのおじ。
サラザール警官:アレハンドラ・ノラスコ
BART警察官。実在の警官メアリーソル・ドメニチをモデルとしている。
エミ:ヴィクター・トーマン
Farmer Joe'sのマネージャー。
マーカス:ハーマン・ツイ
以前オスカーからマリファナを購入していた男。
ピーター:ダレン・ブリジット
大晦日の夜、オスカーと会話する男性。
ローズ:ルセナ・ヘレラ
ソフィーナの姉妹。
看護師:レイゾン・トランブル
サミー:ナシール・ズゲイヤー
大晦日にソフィーナにトイレを貸す店主。
アシェイ:クリスティーナ・エルモア
ローレンの恋人。
ローレン:タメラ・トマキリ
アシェイの恋人。
ミセス・ステイシー:ワンダ・ジョンソン
タチアナの保育園の先生。オスカー・グラント本人の実母ワンダ・ジョンソンがカメオ出演しています。
あらすじ
2008年12月31日。
サンフランシスコ・ベイエリアに暮らす22歳のオスカー・グラントは、恋人ソフィーナ、幼い娘タチアナと生活しています。
彼には前科があり、仕事も失っていました。恋人との関係にも問題を抱えています。それでも新しい年を迎えるにあたり、「もう一度ちゃんと生きたい」と考え始めます。
以前働いていたスーパーに行って復職を頼み、娘を保育園へ送り、母ワンダの誕生日を祝い、家族や友人と食卓を囲む。
それは特別な英雄の一日ではなく、ごく普通の若者の、ごく普通の大晦日でした。
夜、友人たちとサンフランシスコへ年越しに出掛けたオスカーは、帰りのBART車内で過去に因縁のあった男と遭遇します。やがて警察官が駆けつけ、オスカーたちはフルートベール駅のホームで拘束されます。
そして2009年1月1日未明、取り押さえられていたオスカーに警察官の銃口が向けられます。
作品のテーマ
この映画で重要なのは、単に「警察による黒人青年射殺事件」を再現することではありません。
中心にあるのは、
「ニュースの中の“犠牲者”にも、その日の朝まで普通の生活があった」
という視点です。
オスカーは聖人として描かれていません。
前科があり、恋人を裏切ったこともあり、嘘もつく。短気なところもあり、再び麻薬を売る誘惑にも揺れます。
その一方で、娘を心から愛し、母親を大切にし、道に迷っている他人を助け、仕事を取り戻そうとし、「これからはちゃんと生きよう」と考えている。
つまり監督はオスカーを「完璧な被害者」にしません。
善いところも悪いところもある一人の人間として描くこと自体が、この映画のコンセプトです。
クーグラー監督自身も、観客にオスカーを「人間として知ってもらい」、その生命に意味があったと感じてもらうことを意図していたと説明しています。
みどころ
「結末を知っている」ことを逆に利用した構成
映画は冒頭から、実際に携帯電話で撮影された事件映像を提示します。
したがって観客は、オスカーがこの日の終わりに死ぬことを知ったまま、彼の日常を見ることになります。
娘との会話、母親の誕生日、夕食、何気ない電話。
普通なら何でもない場面が、
「これが最後になる」
と知っているため、すべて違った意味を帯びていきます。
マイケル・B・ジョーダンの演技
後の『クリード』『ブラックパンサー』とはかなり違う、若く、危うく、感情の振幅が大きい青年を演じています。
オスカーを英雄にするのではなく、愛嬌も欠点も怒りもある22歳として見せる演技が、この作品を成立させています。
オクタヴィア・スペンサー
母ワンダを演じるオクタヴィア・スペンサーも非常に重要です。
特に終盤、母親として息子の身に起きたことを受け止めなければならない場面は、本作でも特に強烈です。彼女は本作でナショナル・ボード・オブ・レビューの助演女優賞を受賞しました。
ドキュメンタリーのような撮影
撮影監督レイチェル・モリソンはスーパー16mmフィルムを使用。オークランドで20日間撮影し、事件が起きた実際のフルートベール駅でも撮影しています。
手持ちカメラを多用した映像は、作られたドラマというよりも、
「その場で誰かの一日を見ている」
ような距離感を作っています。
実際の事件との関係
オスカー・グラントは実在の人物です。
2009年1月1日未明、オークランドのフルートベール駅でBART警察官に撃たれ、その後死亡しました。
現場にいた乗客たちが携帯電話などで事件を撮影しており、その映像が広く拡散されたことで大きな抗議運動へ発展しました。
本作で「イングラム」とされる警官は実在のヨハネス・メーサーリーをモデルとしており、本人は拳銃をテーザー銃と取り違えたと主張しました。その後、過失致死で有罪となっています。
受賞
特に注目すべきなのが、ライアン・クーグラーにとってこれが長編映画第1作だったことです。
2013年サンダンス映画祭では、
米国ドラマ部門・審査員大賞
米国ドラマ部門・観客賞
をダブル受賞。
さらにカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でも評価され、クーグラーは一作目から世界的に注目される監督となりました。
『フルートベール駅で』は、人種差別や警察暴力を直接論じる映画であると同時に、**「人間が一人死ぬとは、何が失われることなのか」**を85分間かけて体感させる作品です。そこが本作の最も重要な部分だと思います。
