映画『百瀬、こっちを向いて。』
映画『百瀬、こっちを向いて。』ツタヤディスカスのおすすめ。
中田永一による日本の恋愛小説集。及び、その表題作品(2008年)。2014年に映画化。
他愛もない恋愛映画。これがおもしろい。何もない。感動もほのぼのも、もちろんスリルもサスペンスもミステリーもそこには何も無い。これがおもしろい。これぞ青春。
だが現実にこんなことがあろうはずもなく、だからこそうらやましくもある。恋愛もさることながら、主人公の友人のタナベが良いやつすぎてこんな友人が欲しかったと今さらながらに思う。
そしてこの作品で唯一間違ってると思ったことがあって、それは18歳の神林徹子を演じる石橋杏奈に無理がありすぎるというか、制服が似合わなさすぎる。下手をすれば、アダルトビデオかと疑いたくなるほどである。
役どころとしてしっかりした女の子を描きたいのは理解できるが、もう少し他に誰かいなかったのか。これでは石橋杏奈が可愛そうだ。
ノボルの母に西田尚美は良かったな。いつ見ても美しい。なんなら西田尚美の制服姿を僕は見たい。あと、知ってる人はキタロウか。その他の主要な出演者は演技経験の少ない新人俳優たちが中心だと、なるほど。
青春、恋愛、とても良い作品だった。
主人公の友人タナベを主人公とした番外編「鯨と煙の冒険」が収録されている本を見つけた。
サイドストーリーズ (角川文庫)
『百瀬、こっちを向いて。』のタナベ以外にもいろんな物語のスピンオフだって。こんなのあるんだね。
『天地明察』『探偵はバーにいる』『鍵のかかった部屋』『さよならドビュッシー』『百瀬、こっちを向いて。』『ストロベリーナイト』『まほろ駅前多田便利軒』など、人気作のサイドストーリーが読めるアンソロジー。
以下AIによる。
映画『百瀬、こっちを向いて。』
公開日: 2014年5月10日
監督: 耶雲哉治
原作者: 中田永一(乙一の別名義)
原作: 中田永一『百瀬、こっちを向いて。』(祥伝社刊)
映画脚本: 狗飼恭子
撮影: 梅根秀平
原題: 百瀬、こっちを向いて。
英題: My Pretend Girlfriend
配給: スールキートス
劇場公開日: 2014年5月10日
ジャンル: 青春/恋愛/ラブロマンス/ドラマ
製作年: 2014年 ※一部映画データベースでは2013年表記
製作国: 日本
上映時間: 109分
映倫: G
字幕・翻訳: 日本語作品のため日本公開版は該当なし。英語字幕付き上映素材の存在は確認できるが、字幕担当者名は確認できず。
音楽: 阿南亮子
主題歌: WEAVER「こっちを向いてよ」(A-Sketch)
主なスタッフ
製作統括: 加太孝明
エグゼクティブプロデューサー: 安藤親広
プロデューサー: 明石直弓、木幡久美
アソシエイトプロデューサー: 関根健晴
ラインプロデューサー: 梅本竜矢
照明: 中村裕樹
録音: 西山徹
美術: 三浦真澄
装飾: 龍田哲児、小池晶子
編集: 稲本真帆
音楽プロデューサー: 緑川徹
音響効果: 西村洋一
VFXプロデューサー: 谷内正樹
スタイリスト: 篠塚奈美
ヘアメイク: 細川昌子
スクリプター: 湯澤ゆき
助監督: 西原裕貴
制作担当: 和氣俊之
企画・制作プロダクション: ROBOT
キャスト
百瀬陽(ももせ よう)/早見あかり
本作のヒロイン。ショートカットで、どこか野良猫を思わせる鋭い雰囲気を持つ女子高校生。宮崎瞬に想いを寄せている。ノボルと「恋人のふり」をすることになり、奇妙な偽装交際を始める。本作は早見あかりの長編映画初主演作。
相原ノボル(15歳)/竹内太郎
高校時代の主人公。目立たず、恋愛経験にも乏しい少年。憧れている先輩・宮崎瞬から頼まれ、百瀬の偽の恋人になる。最初は単なる「役割」だった関係が、次第に彼自身の本当の感情を揺らしていく。
相原ノボル(30歳)/向井理
15年後のノボル。小説家となり、新人文学賞を受賞。母校での講演のため故郷へ戻ったことをきっかけに、高校時代の百瀬との出来事を思い返す。現在のノボルの回想という形で物語が進んでいく。
宮崎瞬(みやざき しゅん)/工藤阿須加
ノボルが尊敬している先輩。容姿もよく学校でも目立つ存在で、神林徹子と交際している。一方で百瀬とも関係を持っており、その噂をごまかすためノボルに百瀬との偽装交際を頼む。
神林徹子(かんばやし てつこ)/石橋杏奈
宮崎瞬の恋人。学校のマドンナ的存在で、周囲から見ても瞬と似合いのカップル。百瀬と瞬の関係を隠す必要が生じる大きな理由となる人物。
大人の神林徹子/中村優子
15年後の徹子。資料によっては結婚後の名前である宮崎徹子と表記されている。物語の「現在」と高校時代をつなぐ人物の一人。
田辺真治/ひろみ(第2PK)
ノボルの高校時代の周辺人物。
相原悦子/西田尚美
ノボルの母親。
吉岡先生/きたろう
教師。
確認できる主要クレジット上の出演者は、
早見あかり/竹内太郎/石橋杏奈/工藤阿須加/ひろみ(第2PK)/西田尚美/中村優子/きたろう/向井理
となっています。一般的な作品データベースやDVD公式情報でも、この9名が主要キャストとして掲載されています。
あらすじ
新人文学賞を受賞した30歳の小説家・相原ノボル。母校から講演を依頼され、高校卒業以来15年ぶりに故郷へ帰ってきます。
変わらない街並みを目にしたノボルの記憶によみがえってきたのは、15歳だった頃の出来事でした。
当時のノボルは、クラスでも目立たない冴えない高校生。そんな彼が憧れていたのが、学校でも人気者の先輩・宮崎瞬でした。
ある日、瞬から紹介されたのが、ショートヘアで鋭い眼差しを持つ少女、
百瀬陽。
ところが瞬にはすでに、学校のマドンナ的存在である神林徹子という恋人がいました。
瞬と百瀬が付き合っているという噂が立てば徹子との関係が壊れてしまう。
そこで瞬はノボルに、
「百瀬と付き合っているふりをしてほしい」
と頼みます。
こうしてノボルと百瀬は、本当は恋人ではないのに恋人として振る舞う「偽装カップル」になります。
しかし一緒に過ごす時間が増えるにつれ、ノボルにとって百瀬は単なる「先輩の彼女」ではなくなっていきます。
一方の百瀬の心には瞬がいる。
好きになってはいけない相手を好きになってしまう。
しかも自分たちの関係そのものが「嘘」である。
そんな報われない初恋が、15年後までノボルの中に残り続けることになります。
作品のテーマ
本作を貫いている最大のテーマは、やはり**「嘘と本当の気持ち」**です。
物語の出発点そのものが、
「付き合っているふりをする」
という嘘です。
ところが非常に面白いのは、偽物だったはずの恋愛の中から、本物の恋心が生まれてしまうことです。
ノボルと百瀬は「恋人」という役を演じています。
しかし、一緒に歩く。話す。時間を過ごす。
そうした恋人らしい行為を繰り返すうちに、ノボルの感情だけは演技ではなくなっていく。
ここに本作の切なさがあります。
「好きな人から、こちらを向いてもらえない」
タイトルの
『百瀬、こっちを向いて。』
も非常に象徴的です。
単純に「こちらを見て」という意味だけではありません。
百瀬の心は宮崎瞬へ向いています。
ノボルは百瀬を見ている。
けれど百瀬はノボルを見ていない。
つまり、
「僕のことを好きになってほしい」
「僕を見てほしい」
という、片思いをした人なら誰でも知っている感情がタイトルに込められています。
もう一つの重要なテーマ――「記憶」
映画は高校生のノボルだけを描くのではなく、30歳になったノボルの回想として作られています。
この構成が非常に重要です。
15歳の少年にとっては、目の前の恋が世界のすべてだった。
しかし30歳になれば、それは15年前の出来事です。
それでも忘れられない。
人間には、
終わったからこそ美しく残ってしまう恋
があります。
相手と結ばれなかったからこそ、その時の表情や風景や言葉が、長い年月を経ても記憶の中に残っている。
本作は単なる高校生の恋愛映画というより、
大人になった人間が、自分の「初恋」を振り返る映画
として見ると非常に味わい深い作品です。
みどころ
まず大きいのが、早見あかり演じる百瀬陽の存在感です。
百瀬は典型的な「かわいいヒロイン」とは少し違います。
無愛想で、強気で、どこか危うい。
けれどその内側には、報われない恋を抱えている少女の脆さがあります。
そして、百瀬に振り回されながら少しずつ彼女を好きになっていく竹内太郎演じるノボル。
この二人の距離感が本作の中心です。
また、耶雲哉治監督にとって本作は長編映画監督デビュー作であり、CM作品を多数手掛けてきた監督らしい、青春の記憶を切り取った映像表現も特徴になっています。
派手な事件が起こるタイプの青春映画ではありません。
むしろ、
好きな人と歩いた道。
何気なく交わした会話。
一瞬だけこちらを見た表情。
そういう「後になって思い出になる瞬間」を積み重ねていく映画です。
そしてWEAVERの主題歌**「こっちを向いてよ」**がタイトルと物語そのものに重なり、ノボルの言葉にできない気持ちを補うように作品を締めくくります。
「あのとき好きだった人は、今どこで何をしているだろう」
そんな記憶を持つ人ほど響きやすい、「初恋そのもの」ではなく「初恋を思い出すこと」を描いた青春恋愛映画だと思います。
