長男4年生の家庭学習の宿題で「非核反戦ポスター」のデザインを考えるという宿題があった。
本来なら今頃学校でやる事なのだろう。長男に確認すると「非核反戦」の意味すらピンときていない。
そこから教えていかないといけない。戦争と非核の話をしながら、幸いにも広島に行った時に原爆ドームを見せているし説明もした事を思い出した。
ほな、原爆ドームでも書くか?というと、本人にしてみれば他に何もイメージできないのだろう。すぐに「それ書く」となった。
絵を描くのは母ちゃんの専門である。写真だけ渡して後はまかせようと考えた。
この写真を渡して、母ちゃんに教えてもらいと言ったが、ふと気が付くと半べそをかきながら書かれへん、難しい、わからへんを連呼している。
ここで初めて僕の失敗に気が付いた。僕も元々絵を描く事が苦手だと思いこんでいたので、いざ書こうとするとどう書いて良いか全くわからなかった。
絵を描ける母ちゃんからすると、「書き方がわからない」その事が理解できないのだ。もはやわからない事がわからない状態をそれを出来る人間は理解ができないのだ。その経験は僕にもあるのですぐにわかった。
そして、昔絵を描けないと思い込んでいた僕が書いてみせる。
決してふざけているわけではない。これが僕の絵のレベルなのだ。まあ、ちょっと適当ではあるがこれくらいのほうが、書き方がわからないと思いこんでいるやつには理解しやすいだろう思った。
「ほれ。これでえんやで。」
「こんなんでえん?」
「こんなんってなんやねん。めちゃくちゃ上手な絵やないか。誰が見ても原爆ドームやんけ」
「わかった。これやったら書ける」
さっきまで書けへん、難しい、わからへんと半べそかいてたやつが書けただけでも上出来だろう。
誰かに何かを教える時は、本当に相手のレベルまで降りていかないと話は伝わらない物である。
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