2010年2月の終わり、長男の懐妊がわかった。その時検診に行った病院は神崎総合病院だった。なぜそこだったのかはもう覚えていない。
おそらくその当時すでに福崎町内の個人の産科はすでに無くなっていたんだろう。選択肢として神崎総合病院か、マリアだったんだろうと思う。ちなみにのちに聞いた話でマリアで出産すると普通の病院よりも2~30万高いらしい。食事が豪華とか、部屋が良いとか設備面で違いがあるらしかった。
おそらく神崎に行く事を決めたのは母ちゃんか、あるいはうちの親か他の誰かに聞いて行ったのかもしれない。そもそも僕も当時は何も知らなかったんだから。
とにかく妊娠がわかって結局3回目の検診くらいまでは神崎だったと記憶している。つまり5月の検診である。
その間に色んな事を教えて下さった方があり、そこで初めて「助産院」という選択肢を知った。話を聞いて一も二もなく助産院に決めた。僕の考え方に一致していたからである。もちろん母ちゃんとも相談して、むしろ母ちゃんはそもそも助産院が良いと思っていたらしい。
ただ教えてもらった助産院は神戸なので他には無いんだろうかと考え、調べてみると姫路にも1件だけ見つける事ができた。神戸も行ってみないとわからんが、僕が信頼する人からの情報だったのでまず間違い無いと思っていたが、姫路はどうだろう。とりあえず母ちゃんが電話する事にした。
で、電話を切って「なんか怒られたから嫌だ」と(笑)まあここに詳しくは書かんが、じゃあ神戸に行ってみようという事になった。
さて、僕たち夫婦二人の心はもう助産院である。その為に今通院している病院の紹介状が必要になった。それを下さいと言いに行ったのが恐らく5月の検診だったのだろう。
その検診から帰ってきた母ちゃんがまた「怒られて書いてもらえなかった」と言う。なんでどいつもこいつも怒るんだろうか?
その時怒られたのは「助産院での出産など危険だ。けしからん。絶対安全な病院で産むべきだ」という内容だった。12年前に母ちゃんから聞いた事だが、だいたいこんな感じだったと記憶している。
この時に初めて「助産院は危険がある」=「絶対安全では無い」という世の中の多数派の意見を知った。なるほど、多くの人が病院で出産するわけだ。
さらにここで付け加えると、姫路の助産院さんも「その覚悟があるのか?」的な事を言われたのだ。決して悪気があったわけでは無かっただろう。当事者として世の中の風潮を痛切に感じていらっしゃったのだと理解できた。だけど言い方よ(笑)
また、こののち2~3年後に、僕たちの事を見ていた若い夫婦が助産院で産みたいと相談に来たが、結局奥さんの両親に反対されたとかで諦めた事もあった。
それほどまでに助産院での出産は社会的に認知度が低いのだ。これは非常に残念な事だと僕は思う。
この独身時代からの世の中の多数派と真逆を行く、僕の考え方、生き方は結婚と出産を機にますます際立って行くことになることはこの当時まだ知る由も無かった。
つづく。
090-3990-0645