週末はお義父さんの17回忌という事で今週も神戸へ。色々な事情で土曜日に法事をして、日曜日に午後から墓参りという日程。
なので日曜日の午前中がすっぽり予定が無く(厳密には仏壇に供える料理をこしらえたり色々あったけど僕の出番はなし)、長男はというと、久しぶりに会えた従妹らとべったりで僕が散歩に誘ってもめずらしく断られた。そこで次男を連れてぶらっとお出かけ。
長男と二人は今でもよくあるけど、実は次男と二人っていうのはほとんどなくて、散歩となれば初めての事だったりする。普段は必ず長男がひっついてくるから。
そんな貴重な時間をどうやって過ごそうかと考えながら近所の銭湯が開いてれば入ろうかと思ったけど、午前中は開いてなくてそのまま元町商店街まで歩いてみる。日曜日の元町商店街といえど、11時前ではほとんど開いてる店もなく、人通りもまばら。長男に比べて次男は少しおとなしい?のかな?長男はちょっと歩く間にいっぱいお話ししてくれるけど、次男はそうでもない。歩いていても静かなもんである。まだ言葉がおぼつかんからかな?と思ったりするけどやっぱり長男と比べると少し言葉がすくないかな?兄弟でもこんなに違うのか?と色々考えながら静かな商店街を歩いていると、少し歩いた所で一人のおばさんが声をかけて下さった。まあこれは子どもらと歩いていると良くある事で、「ぼうや(薄着で)元気だね?」「お父さんとお散歩いーねー」みたいな事をだれかれ構わず声をかけて下さる。ただし声をかけて下さるのはほとんど年配の方ばかり。僕より若い人や歳が近いと思う見ず知らずの女性から声をかけられた事は一度もない。なぜかはわからん。そんな事だから3年半も保育園に通ってママ友が1人しかいないのである。もっと声かけて欲しいのにww
そしておばさんと二言三言声をかわして、おばさんが先に歩いて行かれた。僕は次男の歩調に会わせているので、かなりゆっくりと歩いている。
またしばらく歩くと、先ほどのおばさんが戻って来られた。そして「あー良かった。待ってたのよ」と。「ぼうやがとても可愛くて、この先にかわいいチョコレートがあるの。それをどうしても買ってあげたいのだけど良いかしら?」と言われた。最初なんの事かな?と思ったけど、時々勝手にお菓子などを下さる方がおられるが、まだ僕に確認して下さるだけありがたいなと思いながらも「チョコレートやお菓子はたべさせて無いんです」と丁重にお断りした。するとおばあさんはすごく残念そうな顏をされながら謝って下さった。理解のある方で良かったと思ったものの、そのおばあさんの残念そうな顏がとても哀愁ただよっていて少し気になりちょっと迷ったが「じゃあ申し訳ないですけど、一番小さいやつを一つだけお願いして良いですか?」と思わず言ってしまった。
するとおばさんの顏がみるみる輝いて「ありがとう」と。そしてお店に行き「どれにしようかしら?あれも良いしこれも可愛いね」とハリキって選んでおられた。その姿が少し可笑しかったがとりあえず一番小さい(といっても僕から見るとかなり大きい)を選んでいただきお支払をして下さった。そして次男に渡しながら、「私は息子を3人亡くしたの」と、ひと言。ドキっとした。おばさんの目には涙が溜まっている。その時最初からあったほんの少しの違和感の意味がわかった。普通年配の方が声をかけて下さる時はたいがい自分の孫と重ねて見ておられる事が多い。ところがこのおばさんは次男に、自分の息子さんと重ねて見て下さっていたのだと。それ以上深くは聞かなかった。ただひたすらお礼を言って別れた。不思議なご縁もあるもんだ。何があのおばさんと次男を引き合わせたのか?次男ぐらいの子は、街中にいっぱい歩いているのに。その後ずっとそれが気になった。
そうこうしてるうちにいつの間にか11時も過ぎ気が付くと、やたらと人通りが増えていた。いただいたチョコレートをどこで食べさせようか考えながら歩いて行くとJR元町駅まで出た。JR元町駅前にはウィンズ神戸があり、前を歩くおじさんたちが面白いくらい建物に吸い込まれていく。まるでブラックホールのようだった。ゆっくりチョコレートを食べさせてあげれる場所も見つからず、時間も気になりそこで引き返した。帰りは元高下を歩いた。こちらも開いてる店は少ない。ゆっくり歩きながら家の近所まで帰って、このまま帰るとお兄ちゃんと喧嘩になると思いそこでチョコレートだけ食べさせた。そうして初めての次男と二人きりの散歩が終わった。
ちなみに帰ってから奥さんにチョコレートのパッケージを見せると何やら有名なチョコだったらしい。知らんけど。
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