5月に入院して心不全という病名がついた。ちょっと自分でも驚きだった。全く思いもよらなかったからだ。だが、現実に手足がむくんで顔までもがパンパンに膨れ上がるまでに浮腫んだ。それこそが心不全の症状だったのだ。
心不全で入院して、何の治療をしたのかと聞かれるとこれが全く何もしていない。手術も無い。何もしていないというとお医者さんに怒られるだろうか。
実際には鼻から酸素を吸入する管が繋がれた。そして24時間心電図を繋がれて、酸素の測定?のうような機械がつけられた。
あとはひたすら点滴が入った。そして寝たきりで三度の飯食って薬飲んでまた寝る。酸素吸入はCOPDゆえの治療だったと思う。
そもそも心不全ってなんなんだ?言葉は聞いたことあったが、この時まで全く何も知らなかった。
心不全とは、心臓のポンプ機能が悪くなり、ちゃんと働かなくなった状態のことです。十分な量の血液を全身に送れなくなり、また、肺や肝臓などに血液が滞って、呼吸困難やむくみ、動悸、疲労感など、さまざまな症状が引き起こされます。
心不全は個別の疾患名ではなく、さまざまな原因疾患が引き起こす心臓機能弱化の症候群のことを言います。
前兆
心不全の前兆と言えるものは、残念ながらありません。
慢性心不全では、心拍出量を維持しようと代償機構が働くため、しばらくはポンプ機能が保たれるので、これといった症状が出ず、一般に症状が現われたときには、かなり心不全が進行した状態になっています。症状
心不全の症状としてよく見られるのは、呼吸困難や足のむくみ(浮腫)です。
心不全になると、全身の臓器や血管で血流が滞ります。血液が滞留する(うっ血を起こす)と体液量が増加するので、体重が急激に増加します。また、尿の量が減り、下肢などにむくみが現われます。肺でも血流が滞り、水が溜まるので(肺水腫)、血液への酸素の取り込みが邪魔され、肺が膨らみにくくなります。その結果、息切れや呼吸困難が生じ、疲れやすさや倦怠感、体のだるさなどを覚えるようになります。階段や坂道を上っていて息が切れたり、咳や痰が出たり、動悸がしたりするようになるわけです。
肝臓に血液がうっ滞すると、食後にお腹が張ったり、鈍痛がしたりします。
僕の場合も肺に水が溜まって結果、身体に浮腫みが生じていたらしい。これで全ての謎が解けた。4月に自宅で療養していた時期に色々調べたがなぜ浮腫んでいるのかさっぱりわからなかった。ただ浮腫みを解消する方法はおしっこを出すだけであることも知った。
それでも一向に治まることなく、5月の入院となった。
そして入院してからの治療は投薬のみ。ただそれだけで8日の夜に入院して、10日の朝には全ての浮腫みが治まった。えらいもんだと思った。
点滴は今わかるだけで、大塚糖液5%50ml、タゾピペ配合静注用4.5g「ニプロ」(ゾシン後発)、大塚糖液5%250ml、オメプラゾール注射用20㎎「日医工」(オメプラール後発)と、さらに入院3日目くらいにマグネシウムが不足していると言われ硫酸Mg補正液20mlが追加された。このうち、薬といえるのは抗生物質のタゾピペと胃薬のオメプラゾールだけらしい。
さらに飲み薬が利尿薬としてスピロノラクトン、トルバプタン、ラシックス、胃薬のポラプレジンクを心不全の薬として、COPDの治療薬としてエリスロシンとカルボステインが出されていた。
結構な量の薬だったが、ただそれだけでたった2日で体中の浮腫みが消えた。入院2日目の9日くらいまではご飯もほとんど喉を通らなかったが浮腫みが無くなった10日からは普通に食事をとることができるようになった。
この時不思議だったのはなぜ胃薬を投薬されているんだろう?と思ったのだが亜鉛の補給だと後で聞いた。
他に入院中にやることと言えば、毎日の検温、血圧測定と時々採血、そして時々レントゲンだった。後は寝て、起きてメシ食ってまた寝る。起きてる時間はただひたすら本を読むだけだった。それはそれである意味、快適で幸せな生活だった。
入院中の血圧も検温もおおむね良好に推移した。そして5月16日に鼻に繋がれていた酸素吸入が外れ、翌17日には全ての点滴が外された。さらに18日になるとおしっこの管(カテーテルというのか?)も外され、完全に自由の身となった。
その後24日に退院となるだが、この頃はとにかくおしっこが良く出ていたように感じた。利尿剤も効いていたのだろう。そしてすごく体調が良かった。
しかし今考えてもなんで心不全になったのか?なぜ肺に水がたまるほど悪くなったのか?さっぱり原因がわからない。これではいくら自分で気を付けても、ちょっと防ぎようの無い病気だろう。
そして一生薬を飲み続けろと医者は言う。とりあえず「わかりました」と返事をしたものの、僕にはいつどうやって薬をやめようか?そのことしか頭に無かった。
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