『ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~』家族と介護、米国、2018年。
『ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~』
これまでほとんどの作品を「面白い」か「面白くないか」で評価してきてたけど、ここにきて初めて「良い映画」という評価がふさわしい作品だった。
もはや日本でも当たり前の家族関係と介護の問題。それをひとつの家族で全てを現したそんな作品。
『ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~』映画データ(2018)
・公開日:2018年10月19日
・監督:エリザベス・チョムコ
・原作者:エリザベス・チョムコ
・原作:オリジナル脚本
・映画脚本:エリザベス・チョムコ
・撮影:ロバート・シェイファー
・原題:What They Had
・配給:ギャガ(日本)
・劇場公開日:日本国内で劇場公開なし。
・ジャンル:ヒューマンドラマ
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:104分
・字幕・翻訳:字幕:藤本志津 ※日本版
・音楽:ダニー・マルシャン
・主題歌:—(特定の主題歌なし。劇伴中心)
キャスト(役名/俳優)
・ブリジット・アーツ(ビティ)姉(主人公)/ヒラリー・スワンク
・ニックニコラス・エヴァーハート(ニッキー)(弟)/マイケル・シャノン
・ノルベルト・エヴァーハート(父)/ロバート・フォースター
・ルース・エヴァーハート(母・アルツハイマーを患う)/ブライス・ダナー
・エマ・アーツ(ブリジットの娘)/タイッサ・ファーミガ
・エディ・アーツ(ブリジットの夫)/ジョシュ・ルーカス
・メアリー: サラ・サザーランド
・ゾーイ医師: エイミー・ガルシア
・デヴィッド: ジェイ・モンテパレ
・レイチェル: ジェニファー・ロビデュー
ほか出演者多数
作品テーマ
アルツハイマーを患う母を中心に、揺れ動く家族の絆を描いたドラマです。
「家族は何を守り、何を選択し、どこまで寄り添えるのか」――避けては通れない“老い”と“別れ”に直面した家族の姿を優しく、けれど現実的に描いています。誰もがいつか通る道であり、観客自身の家族観を静かに問い直す作品です。
みどころ
ヒラリー・スワンクとマイケル・シャノンの確かな演技が作品を強くささえています。
とくに家族間の会話シーンの温度差、焦りや諦め、介護に伴う現実と感情の衝突が生々しく、同時に深い愛情がにじみ出るような演技が印象的です。
大きな事件が起こる物語ではなく、日常の中に潜む“喪失と再生”を丁寧に描くことで、観客の心へ静かに積み重なる感動を与えます。
あらすじ
アルツハイマーを患う母・ルースが夜中に家を出てしまう出来事をきっかけに、娘ブリジットは久しぶりに故郷へ戻ってくる。
弟のニックは、母の状態を受け止めきれない父・バートに対し、施設への入居が必要だと主張するが、父は強く反対。家族の間には、長年積み重なってきた葛藤や気持ちのすれ違いが徐々に露わになっていく。
母を守りたい気持ちと、どうしようもない現実の間で揺れ続ける家族。
ブリジットは、自身の人生の問題とも向き合いながら、“家族としての最良の選択”を模索するようになる。
アルツハイマーという避けられない現実の中で、傷つきながらも互いを思い続ける家族の姿が静かに描かれていく。
