テレビとか映画とか

『蒲田行進曲』良くも悪くも昭和の映画

この映画、間違いなく過去に3度くらいは見たことあるはずだった。ただそれはもう少なくとも20年以上も前の話。

はっきりと覚えていたのはやすの「これがこれなもんで」というセリフと「階段落ち」の場面。

ところが改めて見てびっくり。こんなにも覚えてないもんなのか。まるで初めて見たような感覚だった。

まずこれは過去にも考えたこと無かったけど、主演はヤスでも銀四郎でもなく、小夏(松坂慶子)なんやな。そこから驚いた。そしてその松坂慶子の濡れ場。おっぱい出てるのが新鮮だった。そういえば不適切で向坂キヨシが「テレビでおっぱいが見たいんだ!」って叫んでいたが、今はドラマや映画でも無くなったのかな。ひょっとしたらこの作品ももう地上波で放送できないのか??

それにしてもすごいよな。松坂慶子なんて当時の大女優よ。今で言うたらそれこそ松たか子とか中谷美紀じゃないのか?別にそこまでしなくても、実力も実績もある人が脱ぐことの意味はなんだったのだろうか。そう考えるとやっぱり河合優実は異色なのか?とかいろいろ考えるよね。

そしてストーリーというか、銀四郎の設定もすごい。これが撮られた(描かれた?)時代はおそらく誰も疑問に思わず、むしろ美談だったのか?実際に僕も以前に見た時は、階段落ちのところで涙を流した記憶がある。なんて感動するドラマなんだと。さすがに今の時代にはもうこのストーリーというか、銀四郎の設定で描く人いないだろうね。

そしてひょっとして主役はやすか?とも思えた平田満さん。これ誰なんだろう?今、何をしてはるんだろう?と思いながら見たけど、めちゃくちゃ見たことある人やった。

何に出てるとかは記憶に無いけど、間違いなく知ってる。いろんなドラマで見てる人や。と思って作品一覧を見ると、間違いなく僕が覚えてる作品があった。フジテレビのドラマ『忠臣蔵』(1996年)の 大高源五だ。あの雪の降る橋の上で宝井其角に会って下の句を「明日・・・・」なんだっけ?はれつつ?またるる??、忘れた。ま、この話はまた今度。とにかくあの大高源吾が平田さんだったのだ。こうやって役者さんと作品がつながるのが最近とても面白い。

他にも銀四郎の風間杜夫や監督の蟹江敬三が今まであまりテレビを見なかった僕にとっては懐かしく、新鮮でした。

さらに今キャストを確認しながら、気づかなかったのが小林稔侍さん。どこにいたんだ?友情出演の千葉真一、真田広之、志穂美悦子もDVDの特典映像で確認できたけど、作品内では全く気付かずでした。

ひとり、確実に気づいたのが萩原流行さん。それこそこの人もフジテレビの忠臣蔵で覚えたんだよなー。かっこよかったなー。こんなに若い姿にお目にかかれるとは思いもせんかった。

なつかしさと新鮮さと、今の時代ならではの驚きのある作品かな。だけど、当時の原作者、つかこうへいさんの思いを読んでまたなるほどなと。ただ1982年に「母親による子殺しや、覚醒剤でどうこうという事件には、もう驚きもしなくなりました」ってどんな時代やったんや??って、そんなに凶悪な事件や、風紀の乱れがすでにあったのかと逆の驚きと、今と大して変わらんやないかという驚きがあって、そんな時代背景でこの作品の持つ意味はなんやったんやろな?とか考えながら、今の時代のフェミニストと言われる人たちがこの作品を見てなんと言うのか?、おそらくこの作品を見ておられるであろう上野千鶴子さんは、どんな感想だったのだろうか?とか、いろいろ想像して楽しめる作品でもありました。そしてラストは良かった。

で、やっぱりDVDで見ると、こうやって特典映像があるのもいいね。配信よりもDVDよ。

映画『蒲田行進曲』によせて 原作・脚本 つかこうへい
 私たちは、母親による子殺しや、覚醒剤でどうこうという事件には、もう驚きもしなくなりました。今は、どう物語をつくっても、事実という重さに勝てない時代です。
 この映画の誇るべきところは、ドキュメントでも、ノンフィクションでもなく、ただのつくりものだということです。久しぶりに、嘘にみちた映画らしい映画です。
 でも、こんな楽しい絵空事をつくることのできる深作氏をはじめ、映画界を頼もしく思いました。なぜなら、「少年が少女に会って恋をする」、そんな他愛もない物語こそ、映画だと思っていましたから。
 私に『蒲田行進曲』のヒントを与えてくれたのは、年老いた女優が自分宛てのファンレターを書きつづけるというビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』でした。
 それをいつか日本の松竹蒲田撮影所に移し替えて書いてみたいという思いが、いつしか銀幕の魅力にとりつかれたスターさんや大部屋俳優たちの物語に変わり、舞台も東映京都撮影所となり、内容も『太秦ラプソディー』とでも呼ぶべき作品になってしまいました。
が、映画を愛し、スクリーンの上で一瞬にして消えてゆくはかない夢に情熱を賭ける人たちの物語には変わりありません。
 ねがわくば、かつて若き日に映画に夢をたくし、今は忘れさらてしまった老優たちが、なけなしの衣装で着飾って場末の映画館に集まり、この映画に涙する、そんな姿を見てみたいものです。
    ~劇場公開時のプログラムより~

『蒲田行進曲』DVD キャスト&ノートに収録

あの頃映画 「蒲田行進曲」 [DVD] Amazon
松坂慶子 (出演), 風間杜夫 (出演), 深作欣二 (監督) 形式: DVD
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映画『蒲田行進曲』(かまたこうしんきょく)1982年・角川映画版の整理情報です。

公開日:1982年6月26日
監督:深作欣二
原作者:つかこうへい
原作:戯曲「蒲田行進曲」
映画脚本:つかこうへい
撮影:前田米造
原題:蒲田行進曲
配給:松竹=角川春樹事務所
劇場公開日:1982年6月26日
ジャンル:青春/人情/喜劇/恋愛
製作年:1982年
製作国:日本
上映時間:109分
字幕・翻訳:―(日本映画)
音楽:甲斐正人
主題歌:「蒲田行進曲」編曲版(オリジナルは1920年代の流行歌)

キャスト

小夏:松坂慶子
ヤス(大部屋俳優):平田満
銀四郎(スター俳優):風間杜夫
沢田:原田大二郎
水野:真行寺君枝
桑畑五郎:蟹江敬三
プロデューサー:高品格
演出助手:小林稔侍
トクさん:岡本麗
山田:汐路章
トメ:榎木兵衛
太:高野嗣郎
大部屋A:石丸謙二郎
勇二:萩原流行
マコト:酒井敏也
助監督:清水昭博
カメラマン:佐藤晟也
ヤスの母:清川虹子
その他出演者(確認できる範囲)
大地康雄
笑福亭鶴光
荻島真一
草薙幸二郎
高山千草
三谷昇
伊藤克信
井上純一
不破万作
高瀬春奈
丹古母鬼馬二
伊佐山ひろ子
根岸季衣

友情出演
千葉真一
真田広之
志穂美悦子

作品のテーマ・見どころ

つかこうへいの舞台劇を、深作欣二が映画化した作品。
「大部屋役者のヤス」がスター銀四郎の無茶な要求に翻弄され、愛する小夏を守ろうとする姿を描く。代表的な名場面は「階段落ち」で、実際に役者が延々と階段を転げ落ちる大迫力のシーンは映画史に残る名演出。

テーマは「夢と現実」「役者の矜持」「人を愛することの無償性」。熱血で破天荒だがどこか哀愁漂う、80年代邦画を代表する青春人情ドラマ。
深作欣二の演出とつかこうへいのセリフ回しが合体し、舞台劇の熱量をそのままフィルムに焼き付けている。

この映画は 第6回日本アカデミー賞最優秀作品賞 を受賞しており、松坂慶子・風間杜夫・平田満らの代表作のひとつとして今でも語り継がれています。

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moja
昭和47年生まれ。生まれた時からカープファン。 姫路生まれ姫路育ち。現在は相生市矢野町榊。 パソコン販売・修理・組立、出張サポート、ホームページ制作・WEBデザインなど。 奥さん1人と4男の父 真宗門徒
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