映画『幸せへのまわり道』映画素人が見る映画ではない。ちんぷんかんぷん

映画『幸せへのまわり道』

なんだこれは?と思いながら見ていて、ひょっとしたら後半にとんでもない結末でも用意されているのかと思ったが、結局最後まで「なんだこれは?」のまま終わってしまった。

そもそもこの映画、背景となるアメリカ文化を知らずに見るにはハードルが高すぎるのかもしれない。以下があらすじ。

アメリカで1968年から2001年にわたって放送された長寿子ども向け番組の司会者フレッド・ロジャースを描いたヒューマンドラマ。雑誌「エスクァイア」に掲載された新聞記者ロイド・ボーゲルによる記事の映画化

雑誌記者として華々しいキャリアを築いてきたロイド・ボーゲルは、姉の結婚式に招待され、そこで長らく絶縁していた父ジェリーと再会する。家庭を顧みず自分たち姉弟を捨てた父を、ロイドはいまだ許せずにいた。数日後、仕事で子ども向け番組の司会者として人気のフレッド・ロジャースを取材することになったロイド。フレッドは、会って間もないロイドが抱えている家族の問題や心のわだかまりを見抜き、ロイドもそんなフレッドの不思議な人柄にひかれていく。やがて2人は公私ともに交流を深めていく。

映画の冒頭で「実話に基づいた物語」と出てくるのだが、まさか最初のセットがあの番組のものだとは気づかなかった。

正直、日本でいえば「笑っていいとも」や「徹子の部屋」、あるいは「ポンキッキーズ」をまるごと知らない外国人が、タモリや黒柳徹子を主人公にした映画を急に見せられるようなものだろう。フレッド・ロジャースという人物を全く知らない身からすると、そりゃピンとこないのも当たり前である。

これは、映画そのものよりも「前提の文化」を知っている人向けの作品だと強く感じた。
映画素人が見る映画ではない。

キャストとか。

主演がフレッドなのかロイドなのかわかりにくいのだが、フレッド役がトム・ハンクスであることを考えると、まず名前で引っ張られるのはそちらだろう。ただ、実際にはロイドを演じたマシュー・リスのほうが主人公に近い。というのも、トム・ハンクスがアカデミー助演男優賞にノミネートされたということは、物語の中心はロイド側なのだろう。

マシュー・リスの演技はかなり良かったと思う。トム・ハンクスについては名前はよくしっているが、作品を見るのは初めてだ。ただ、この映画に限っていえば彼の魅力をつかめるような役回りではなかった。とにかく「やさしい人」という印象だけが残った。

映画『幸せへのまわり道』

公開日:2020年2月14日(日本)
監督:マリエル・ヘラー
原作者:トム・ジュノー
原作:雑誌「Esquire」掲載記事「Can You Say…Hero?」
映画脚本:ミカ・フィッツァーマン=ブルー、ノア・ハープスター
撮影:ジョディ・リー・ライプス
原題:A Beautiful Day in the Neighborhood(近所での素敵な一日)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場公開日:2020年2月14日(日本)
ジャンル:ドラマ、ヒューマンドラマ、伝記
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:109分
字幕・翻訳:日本語字幕版・吹替版あり
音楽:ネイト・ヘラー
主題歌:特定の主題歌設定なし(劇伴中心)

キャスト
役名/俳優(声優)/吹替声優
フレッド・ロジャース:トム・ハンクス/(吹替:江原正士)
ロイド・ヴォーゲル:マシュー・リス/(吹替:加瀬康之)
アンドレア・ヴォーゲル:スーザン・ケレチ・ワトソン
ジェリー・ヴォーゲル:クリス・クーパー
ジョアン・ロジャース:メアリアン・プランケット
ビル・アイズラー:エンリコ・コラントニ
ロレイン:タミー・ブランチャード
トッド:ノア・ハープスター
ドロシー・ヴォーゲル:ウェンディ・マッケナ
エレン:クリスティーン・ラーティ
マーガレット・ホー:ジュリエット・ベハウ
ウィテカー編集長:カーメン・カプリテ
ほか、多数出演
(判明する限りのクレジットを記載しています)

作品の持つテーマとみどころ
この作品は、子ども向け教育番組「ミスター・ロジャース・ネイバーフッド」で知られる名司会者フレッド・ロジャースと、心に葛藤を抱える雑誌記者ロイドの交流を描いた実話ベースの物語です。

テーマの中心にあるのは「赦し」「心の回復」「人とのつながり」。
フレッド・ロジャースは決して押しつけがましい言葉を使わず、相手が自分自身と向き合うための“静かな導き”だけを差し出します。ロイドはその温かな姿勢に触れ、長年抱え続けた家族への怒りや悲しみと向き合うきっかけを得ていきます。

みどころは、トム・ハンクスが醸し出す圧倒的な優しさの存在感と、それに寄り添うようにゆっくりと変化していくマシュー・リスの感情の移ろいです。派手な展開はありませんが、「人生は誰かに優しくされた瞬間で変わり得る」という静かな余韻が深く残る作風となっています。

フレッド・ロジャースという人物の“穏やかな革命”を描いた作品として、見終わったあとに心が柔らかくなるような映画です。

ああああ

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