子ども報恩講が終わり、明けて10日。この日は逮夜が13時30分から勤まる。その前にお斎があるので、役員の方たちは朝の8時ごろからお斎の準備をされておられる。これがもうずっと何十年、何百年と続いてきたのだろう。一昨年の庫裡修復の年を除くとずっと同じ事の繰り返し。それが報恩講と言うものなんだろうと思う。
お斎のメニューも不変である。西勝寺では報恩講期間中は完全精進料理となる。にんじん、だいこん、お揚げを外で薪をくべた釜で炊き込む。中の台所では4升炊きの釜でご飯が炊かれる。そして同時に味噌汁やお漬物の準備をされる。これが本当に美味しい。
お斎の時間になると、出仕の法中方も順番に見えられる。ここ西勝寺では、山陽教務所長で姫路船場本徳寺輪番さんが主計さんと共に組内の集金のために、この10日にお見えになり、そして御輪番が逮夜に出仕後、御法話をされるのが慣例となっている。
逮夜のお勤めは正信偈 真四句目下、念仏讃 淘五、和讃 五十六億七千萬 次第六首 、回向 願以此功徳 と本山の報恩講用の緑色の本そのまま勤まる。以前は同朋奉讃だったが緑色の本が発刊されてから皆でお勤めができるようになったので変更された。そして御文 大阪建立をいただき御輪番の御法話をいただく。御法話では「親鸞聖人」という小川一乗さんの絵本を紹介されていた。教務所で買えるらしいので、また買いに行こうと思っている。絵本といえど、どちらかといえば小学生以上向けの内容に思えた。
逮夜が終わると、お手伝いの方々は夜の準備が始まる。夜は初夜・通夜説教が勤まる。そのための法中の食事の準備や終わった後の一杯囲む鍋の準備などそれはそれで大変なご苦労がある。
初夜・通夜説教のお勤めは同朋同朋奉讃ながら今度は御伝鈔拝読がある。長田先生は、北陸門徒は御伝鈔を一言一句覚えるとおっしゃるがこれが中々難しい。聞き取りにくいうえに眠くなる。これを全て覚えるのは僕にはまだまだ先のことのようだ。御伝鈔の後に御法話をいただくと、いよいよお楽しみの法中と役員さんで一杯を囲む席が始まる。これがやはり報恩講の一番の楽しみでもある。だからこそ御伝鈔に身が入らないのかもしれない。でもこれが今の僕のレベルなんでしょう。そう思いながら楽しくお酒をいただく事にしている。いつか御伝鈔を暗記できる日が来るだろうか?まだまだずっと先の気がするが、気長にやっていきたい。
おかげさんで今年も無事に報恩講の夜は更けて行った。
090-3990-0645