carp2016

新井#25オールスター出場記念「空に向かって打て!ファン投票球宴編」

新井と丸がオールスターファン投票で選出されました。
そしてチームは22ぶりの10連勝!!
お祝い記念に田辺一球「広島魂」のコラム「赤の魂」から新井貴浩の物語。

6月27日「空に向かって打て!ファン投票球宴編」

6月27日
空に向かって打て!ファン投票球宴編
ファンとの繋がりを一番、感じることのできる朗報が新井貴浩のもとに届けられた。マツダオールスターゲーム2016、ファン投票一塁手部門、第1位。外野部門で選出された丸とふたりで会見に臨んだ背番号25がいつもよりいっそう輝いて見えた。

「たくさんの方に投票していただいて、本当に嬉しいです。一生懸命プレーする姿を見ていただきたいですね」

ファン投票で球宴の舞台に立つのはこれで2年連続3度目。「まったく考えていなかった広島復帰」が今、自分のもとにはっきりとした形となって返ってきた。「死に場所」として戻ってきた生まれ故郷で赤いユニホームに袖を通すことの意味と意義がいかに深いものであるかを、この日また胸に刻むことになった。

自分のためにグラウンドに立つ。自分のことだけでほかのことには考えが及ばない。誰でも最初はその段階から職場で経験を重ねる。

「目を閉じた次の瞬間にはもう朝が来た」。そんな経験をする人間は一般対社会ではあまりいない。だが、プロ野球も含めて何かを極めようとする世界ではそんな話はよく耳にする。新井貴浩もまさにそういうところからスタートした。2000本安打の最初の頃の話である。

赤い心で、広島を燃やせ…

ファンが作ってくれた応援歌は最高に気に入っている。入団2年目の2000年2月のキャンプ初日。「江藤さんが抜けられたので僕が頑張ってサードを…」とテレビカメラの前で繰り返し、そして「空に向かって打て!」という「テーマ」も自ら設定した。

この年、92試合に出場して16本塁打。いきなり右の超大砲候補に名乗りをあげた。グリップの位置を低く下げ、そこからまさに空に向かって振り上げる。「空を打ち抜く、大アーチ」のスタンドの声援にあわせて舞い上がる打球の角度は明らかに“異次元”だった。

その力がファンにもベンチにも認められ、2002年には初のオールスター戦出場を果たす。松山坊ちゃんスタジアムのこけら落とし、球宴第2戦。パ・リーグ4番手の隼人(日本ハム)から放った一撃は強い逆風をものともせず、レフトスタンドに飛び込んだ。

この日飛び出したホームランはこれだけ。まだ通算安打数は200本そこそこ、という時代の新井貴浩を語る上で欠かせないエピソードのひとつである。

試合前、地元放送局のカメラに向かって「できれば一本!」と一発狙いを宣言していた。けっきょくこの年は28本塁打を放ちファンを歓喜させた。

ところが、の年のオフ、プロ野球ファンを驚かせた金本の阪神移籍によって、江藤の時とは真逆の窮地に陥ることになろうとは…

初の「四番サード」でスタートした2003年、増えていくのは三振と併殺打の数ばかり。スタンドからのヤジが日に日に増えていき、ある時とうとうネットの先のファンに向かって言い返した。

体の方は大丈夫だったが心の方が折れかけていた。シーズン途中で四番を外れ、本塁打数は19本に逆戻り。この時の不振から本当に脱出できたのは2005年からで「赤い心で」広島を燃やすためのエネルギーが限りなくゼロに近い状況が2シーズンも続いた。

あれから10年とちょっと。時が経つのは早い。

おそらく12球団でファンに最も近い存在であり続けてきたカープは、マツダスタジアムというプロ野球観戦における最高の器を手に入れたことで、ファンとの距離感をさらに縮めることに成功した。

赤いヘルメットをかぶり、打席に向かう時、ファンの存在がいかに特別なものであるかをそのたびに噛みしめ、そして「ファンのみなさんに最後に一番喜んでもらうために」一振りにかける。

そんな思いがファンに届き、そしてファンもまたその思いをグラウンドの背番号25届けてくれる、そしてその積み重ね。

サヨナラ勝ちが当たり前のようになっている6月戦線について緒方監督は「スタンドがそういう雰囲気を作ってくれている」と話している。新井貴浩と丸のファン投票選出もまた、実りの秋を迎えるためにファンと歩むシーズンの貴重な1ページを刻むことになる。

月額278円で365日毎日更新される広島物語田辺一球「広島魂」より。

ABOUT ME
moja
昭和47年生まれ。生まれた時からカープファン。 姫路生まれ姫路育ち。現在は相生市矢野町榊。 パソコン販売・修理・組立、出張サポート、ホームページ制作・WEBデザインなど。 奥さん1人と4男の父 真宗門徒