ある人に勧められて読みだした「性遍歴」
例によってなんの前知識も無く読み始める。作者は松本侑子さん、おそらく女性だろうという事しかわからない。
読み始めて、昭和の話だろうか?とふと思う。主人公麻美子の中学時代から物語が始まる。なるほど、性遍歴とはこういう事か。
やがて高校時代の話になり部室にパソコンとプリンタが置いてあり、そんなに古い話で無い事に気が付く。さらに大学にあがるとインターネットのH系サイトと書かれている。思わず気になって、本の発行日をみると2001年となっている。それより以前に書かれているから、1985年~2000年頃か。
内容も面白い。まるで、官能小説のようで、だけどまるっきり表現が文学なのだ。そして、作者の体験談なんだろうか?と思う。少なくとも体験した事の無い事をここまで書けないんじゃないか。まあその真偽はわからないが、最後は結婚して夫婦の性生活、というよりも今でいう妊活といったとこだろうか。
そこに婦人体温計という物が書かれていた。よくよく考えると僕も見た事が無いかもしれない。
「婦人」体温計、とわざわざ言うからには、女性だけの部分で計るものだと思っていたと、春彦さんは言った。
男の人って、婦人科のことは何も知らないんだなとびっくりする。セックスには興味が大いにあっても、妊娠のしくみはよく知らないようだ。
まさにその通りだった。
改めて、何も考えずに元気な男の子を4人も授かった事に感謝した。
読み終えて、この本が短編集だという事に気づく。やっぱり体験談じゃないかなと思わなくもない(笑)。そして一般的にはこのくらいなんだろうなと改めて思う。面白かった。
「性遍歴」
初出 『蜜の眠り』アテール文庫 廣済堂出版 2000年4月刊行
著者: 性遍歴
出版社: 幻冬舎
単行本:ハードカバー 269ページ
ISBN-10: 4344000811
ISBN-13: 978-4344000810
発売日: 2001/04
090-3990-0645