キャンプもいよいよ中盤に入って、ルーキーたちのニュースが増えてきた。
中でも、ドラフト4位の坂倉将吾捕手。ここまであまり情報が無かっただけに期待値もかなり高まった。
スポーツ報知
【広島】ドラ4坂倉、打撃センスを披露!緒方監督「坂倉は素晴らしいよ」
そして「田辺一球 広島魂」コラム「赤の魂」にも登場した。
4年後、もう一度見直すためにここに転載しておく。
「田辺一球 広島魂」
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赤の魂
2月12日
スラッガーの資質
日南入りして一番冷え込む朝を迎えた。が、陽射しは強かった。全体練習の最初の円陣で声出しを命じられたのは背番号61番だった。
「磯村さんがつけていた背番号を引き継いだので、磯村さんに負けないくらい頑張りたいです」
堂々と言ってのけた。高橋昴也もアドゥア誠も長井良太もいた。投手3人はブルペンでその投球を披露した。瞬く間に高い評価を得た高橋昴也はカーブやフォークもどんどん投げた。下半身のどっしり感は高校生離れしている。期待が高まる。
だが、それ以上に衝撃だったのは坂倉将吾だ。東光寺でモノの違いを見せつけてはいたが、天福球場では勝手が違う…。いや、それがぜんぜん違っていなかった。
ローテ―ションでは最終の6班。その磯村と船越と組んだ。6班だからローテも6項目。最初は走塁。いきなり河田コーチとマンツーマンで一塁と二塁の動きを指導された。
トレーニングを挟んでバント練習と連続ティ、そのあとは4つの違った打ち方を求められるティ打撃。今度は石井琢朗コーチから指導を受けた。
東光寺とはぜんぜんやり方が違う。その4つのティ打撃をそつなくこなした。名球会の石井琢朗コーチに「琢朗2世?」と振ってみた。さすがに返答なし、だったがその目は光っていた。
5項目目のロングティで坂倉将吾の非凡なモノが炸裂した。「バッティングをアピールしたい」と意気込んではいたが、まさかこれほどとは…。
東出コーチのトスで放たれた打球はいきなり何度もライトフェンスを直撃した。一緒に打っている磯村、船越とは打球の質がまったく違う。きれいな弧を描き伸びていく様はあの前田智徳をも彷彿とさせる。
そして最後に3カ所でのフリー打撃。坂倉将吾が一番右のカーブマシン(右投手想定)を打ち始めると、さっと緒方監督が寄ってきた。
…で、その打球がこれまたすごい。ミスショットが少なく、マシンの球であることを差し引いてもとても高校生ルーキーとは思えない。
続いて左端の左投げの打撃投手の球を打つ。左対左、レフト方向への打球も、センター方向へも大きな打球を飛ばす。下半身がどっしりとして、軸回転ができている。
ラストは真ん中のゲージ。速めに設定されたストレート。今度は、右足のステップのやり方を変えて、意識的に間を取り、レフト前へ打つ。合ってきたら強くスイング。打球はセンター方向へよく伸びる。
最後はさすがにバテたのか、突っ込み気味になって“失速”したが、これほどの内容のフリー打撃を一軍初心者に見せてもらった覚えはほとんどない。
誠也が神るまでに要した期間は4年。1年目で一軍11試合に出場して12打数1安打だった。
この日の誠也はロングティでセンター後方、屋内練習場の入り口付近にまでかっ飛ばしていた。にわかに信じがたい飛距離である。
果たして坂倉将吾はどんな今シーズンを送り、4年目にはどんなスラッガーに成長しているだろうか?
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