映画『ブルーハーツが聴こえる』2017年に公開された映画で、当時これは見なければと思っていたのを思い出す。結局三宮とかしか上映が無くて行けなかったんだよな。
そして感想を書くのが難しい。多分多かれ少なかれネタバレになると思うので、まだ見てない人はご遠慮ください。
内容としては、6本の短編映画をひとつにまとめたオムニバス形式の映画。トータルで164分(2時間44分)あるからいつみようかと思っていたんだが、これなら1本ずつ暇な時に見れた。だけどそうなると、次いつ見るからわからんからな。見る時に一気見したほうが良かったんだろうな。
6本の内容が『ハンマー(48億のブルース)』『人にやさしく』『ラブレター』『少年の詩』『ジョウネツノバラ』『1001のバイオリン』とブルーハーツの楽曲をテーマに描かれていた。
ただ、なんかどれもピントがずれてると感じた。いちばん良かったというかマシだったのは『1001のバイオリン』かな。主演が豊川悦治と小池栄子だったこともあるかもしれない。だがそれよりもストーリーがまともだったと思う。
まったく意味がわからなかったのが『ジョウネツノバラ』だ。永瀬正敏って有名な人じゃないのか?よく知らないけどこの人が脚本を書いて主演を演じているのだが、なんというか、芸術的というか抽象的というか、凡人にはわからん作品だな。感性で書いてるんだろうなってのは伝わった。気持ちはわからんでも無いのだがね。極めつけは最後の歌詞を英訳してるところがね、なんかブルーハーツに対する見方が直訳的だなと思ったんだけど、どうかな。
『ハンマー(48億のブルース)』と『ラブレター』からは青春を感じた。ラブレターはともかくハンマーはなんでその曲を選んだ?とは思った。
『ハンマー(48億のブルース)』の主演が尾野真千子さんだったが、やっぱりまだ覚えれてなかった。見たことあるけど誰だっけ?なレベルだ。豊悦くらいになると、名前がでなくても『地面師』だとか、ハリソン山中ってなるんだが、尾野真千子を見て『ナミヤ雑貨店』の人だとはならんのだな。可愛い顔してんだけどな。その次の『人にやさしく』の高橋メアリージュンまで尾野真千子さんに見えてしまったんだよな。
『ラブレター』は斎藤工と要潤って人。斎藤さんは何度か見てるが思い出せない。要潤も名前は聞いたことあるが、初めて見たのかな。そしてヒロインに山本舞香という若い女優さん。青春なんだけど、シュールな映画。なんだろうね、あまり好きじゃないかな。シュールってやつが。極端になるよね、めっちゃ面白いか、めっちゃ面白くないか。そしてあまり面白いものを見た事が無い気がする。
そもそもこの映画はどんな意図があって作られたんだろうか?
2014年の秋に2015年のTHE BLUE HEARTS結成30周年を記念して制作が始まる。しかし、2015年に各作品の完成間近にして制作幹事会社が解散、6作品の制作会社が異なることもあって事態が複雑化し、劇場公開ができない状態に陥る。その後、2016年2月26日に上映されたゆうばり国際ファンタスティック映画祭を皮切りに、したまちコメディ映画祭in台東、台湾高雄映画祭、ハワイ国際映画祭、ラヂオもりおか音楽映画祭で取り上げられる。特にゆうばり国際ファンタスティック映画祭の特別上映では映画ファンとTHE BLUE HEARTSファン双方の観衆を集め、立ち見が出るほどであったとされる。それでもなお資金不足は継続していたため、Makuakeを用いたクラウドファンディングで劇場公開に必要な資金の調達を行い、最終的に1200万円を超える資金を集め、2017年4月8日の劇場公開に至る。本編の合計時間は159分だが、上映時は総合エンドロールなどが加わり164分となっている。
なんだかよくわからんが、ブルーハーツの30周年で作られたってことか。皆が皆、それぞれの形でブルーハーツを愛してるってことはわかった。これ以上は何も言うまい。
全体情報(共通事項)
タイトル: ブルーハーツが聴こえる
公開日(劇場): 2017年4月8日
上映時間: 159分
ジャンル: オムニバス映画(短編6編構成)
構成:6名の監督が、THE BLUE HEARTS の名曲をテーマに“自由な解釈”で映像化
収録される6曲(作品に対応):
1. ハンマー(48億のブルース)
2. 人にやさしく
3. ラブレター
4. 少年の詩
5. ジョウネツノバラ(情熱の薔薇)
6. 1001のバイオリン
各短編について、以下の形式で整理する:
編 曲タイトル 監督 主なキャスト あらすじ・テーマ 特記事項・見どころ
1. ハンマー(48億のブルース)
監督:飯塚健
主なキャスト:尾野真千子、角田晃広(東京03)ほか
あらすじ・テーマ:同棲して3年になる彼氏の浮気現場を偶然目撃してしまった女性・一希。怒りや不安をぶつけられず、もやもやした気持ちを抱える中、先輩や周囲の人たち、女子高生2人組が介入して彼女を背中を押すような展開になる。
見どころ:台詞のテンポ感、恋愛のもどかしさをポップに描く演出。観終わった後に前向きな気持ちになるという声も。
2. 人にやさしく
監督:下山天
主なキャスト:市原隼人、高橋メアリージュン など
あらすじ・テーマ:遥か未来、刑務所惑星へ向かう囚人護送船が、流星群の襲来で操縦不能となる。極限状態の中で、人間関係・葛藤・生と死の接点が浮かび上がる。
見どころ:ジャンルはSF風/アクション。CGではなく昔ながらの特撮演出にこだわっている点がユニーク。
3. ラブレター
監督:井口昇
主なキャスト:斎藤工、要潤、山本舞香 など
あらすじ・テーマ:脚本家が執筆中、気づくと自分の高校時代にタイムスリップしてしまう。そこで片思いの相手と再会し、過去と現在が交錯する中での初恋・想いの形を描く。
見どころ:ファンタジー的要素とノスタルジックな演出。時間移動という装置を使って感情の重層性を映す。
4. 少年の詩
監督:清水崇
主なキャスト:優香、内川蓮生、新井浩文 など
あらすじ・テーマ:シングルマザーと、その子ども(思春期に差し掛かった少年)の関係。母子や家庭をめぐる感情、葛藤、支え合いが主題。
見どころ:家族ドラマとして静かに心に残る。登場人物の揺れる気持ちを丁寧に描写。
5. ジョウネツノバラ(情熱の薔薇)
監督:工藤伸一
主なキャスト:永瀬正敏、水原希子 など
あらすじ・テーマ:究極の愛を壮大なビジュアルで描く異色のラブストーリー。愛の形、いくつもの時間や空間を越える想いなどを映像で詩的に表現する。
見どころ:映像美、異質な演出、ラブストーリーとしての強い印象。
6. 1001のバイオリン
監督:李相日
主なキャスト:豊川悦司、小池栄子、三浦貴大、石井杏奈 など
あらすじ・テーマ:東日本大震災後、福島出身の主人公が東京に移住しながら葛藤を抱える。家族、故郷、喪失と再生をめぐるヒューマンドラマ。
見どころ:震災という現実を背景に据えつつも、個人の内面を丁寧に描く力。それぞれの過去・痛みをどう昇華させていくかというテーマ性。
作品の持つテーマ・見どころ(総括)
このオムニバス映画が面白いのは、同じ「楽曲」から出発しているにもかかわらず、6作品で語られる世界がまったく異なる点だ。恋愛、家族、SF、時間の交錯、震災という社会的背景…それぞれの監督が「この曲が聴こえた時に感じるもの/言いたいこと」を映画言語で翻訳している。
共通して感じられるテーマ的なモチーフ:
「言えなかった気持ち」「届かなかった想い」:楽曲の歌詞性とリンクして、登場人物が口にできない思いや、伝えられなかった感情が動機になることが多い。
時間と記憶:『ラブレター』のように過去と現在を行き来する構造や、『1001のバイオリン』における回想、震災を挟んだ時間の流れが意識されている。
極限・逆境の中での人間の姿:『人にやさしく』はSF的舞台で人間の本質に迫る。『1001のバイオリン』は災害・喪失という現実を背景。
映像表現の多様性:各監督の作風が前面に出ていて、ジャンルの壁を越えている(ファンタジー、SF、ドラマ、家族劇など)。
楽曲と映像の対話:各篇において、曲の歌詞・感情と映画のストーリーがどう重なるか、捻られるか、読めるかという楽しみがある。
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