映画の冒頭、掃除機かけるシーンから始まって、洗濯干す場面になって、そういえば洋画で洗濯干す場面って珍しいな、なんなら映画で洗濯物が干されてること自体見たことないんじゃないだろうか。
そんな事を考えていたら、なんか街並みも見たことないような街だ。家のつくり、大きさ、並び、住宅街と言えばいいんだろうか?初めて見る街だなと漠然と感じていた。
街まで行ってバスや郵便局、ガソリンスタンド(コンビニかと思った)を見て、これはどこの街だ?とめちゃくちゃ気になった。言語が英語であることは間違いないだろう。そうこうしていると、主人公が電話をかけてその場所が「サウス・デボン」であることがわかった。その後妻に電話して「ベリック」まで歩くという。サウス・デボンからベリックまで800キロだとも。この時点でまだ僕の頭はアメリカから離れられていなかった。
その後これがイギリスの話だとわかったのはどこの場面だったろうか?主人公はイギリスの南端からスコットランドまで歩いていたのだ。
そこで初めて冒頭からの疑問が一気に解決した。
800キロと言えば、ざっくり岡山ー東京くらいか。若くて健康なら歩けなくはない。早ければ3週間程度で歩けるかな。だが主人公は結構な年齢だろう。
映画を見終わって調べてみると、主人公が74歳の時の映画らしい。これをもし日本で撮影するとしたら、西田敏行さんが生きておられたらどんぴしゃだったのか。今も元気な方で考えると少しだけ若くなって役所広司さん、渡辺謙さん、佐藤浩市さんあたりか。それはちょっと見てみたい気もするな。
主人公が歩く道中のイギリスの田園風景や街並みがとても印象に残った。これがイギリスの風景なのかと。
ストーリー的にはどうなのか?いきなり思いつきで800キロの道を歩こうとするあたり、ちょっと強引すぎないか?その背景にある過去の出来事や家族と向き合う作品なのかと受け止めたけどどうだろう。
あとは途中で出会う女性が皆美しかった。ガソリンスタンドの女の子(ニーナ・シン(Nina Singh))、車で声をかけてくれた女性、倒れたところを助けてくれた女性(モニカ・ゴスマンかな?)。最後のほうで昔のクイニーの演技をみながら、ミスターキャプラン(ブラック・リスト)を思い出しのだが、たたずまいが似ていたんだろうか。
ひとつわからんかったのは、エクセターでモーニングを食べた男性の話とその後のバレエの場面。あれはなんやった?
とここまで書いて、AIが興味深いことを教えてくれた。
原作小説には『クイーニー・ヘネシーの告白』という姉妹編もあって、同じ出来事をクイーニーの視点から描いているんだ。映画を観てから読むと、また違う深みが出てくる。
なるほど、いずれにせよ原作ありきなのだ。
映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』
公開日: 2023年(日本公開:2024年2月9日)
監督: ヘティ・マクドナルド
原作者: レイチェル・ジョイス
原作: 『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』小説(2012年)
映画脚本: レイチェル・ジョイス
撮影: ケイト・マクカラ
原題: The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry
配給: ロングライド
劇場公開日: 2024年2月9日(日本)
ジャンル: ヒューマンドラマ
製作年: 2023年
製作国: イギリス
上映時間: 108分
音楽: イル・トレモロ(Benjamin Woodgates ら)
主題歌: 特定の主題歌はなし(劇伴中心)
キャスト:
ジム・ブロードベント(ハロルド・フライ)
ペネロープ・ウィルトン(モーリーン・フライ)
リンダ・バセット
ニーナ・ソサーニャ(クイーニー・ヘネシー(Queenie Hennessy))
ジョセフィン・ロジャーズ
ガソリンスタンドの女の子・ガレージ・ガール(ニーナ・シン(Nina Singh))
ほか
字幕・翻訳: 松浦美奈
AIによる作品のテーマと見どころ
・定年退職後の男ハロルドが、ある日ふとしたきっかけから「歩いて旅に出る」決心をする物語。
・手紙を託してきた旧友を救いたい、その思いが原動力となり、イギリス南部から北部へと数百キロにわたる巡礼のような徒歩の旅を続ける。
・道中で出会う人々との交流、また彼自身の過去の後悔や喪失と向き合う姿が、しみじみと胸に迫る。
・イギリスの田園風景の美しさとともに、人が「生き直す」瞬間を描く静かな感動作。
090-3990-0645