真宗大谷派(東本願寺)内で起こった残業代未払い問題とパワーハラスメント問題の当事者である著者が、その問題を親鸞聖人の念仏の教えと真宗本廟奉仕を通して、いのちの問題として考え、人と人は悲しみでつながっていることや、サンガに願われていることを語った法話録です。
人が代替可能なモノように消費され、悲しみや苦しみの声が排除されることの多い現代社会において、人を人として、人を尊いいのちとして見ていくことの大切さを考える一冊です。 A5サイズ 68頁
本文より
「私が身を置いた同朋会館とは本来どういう場所だったのかいうと、人々が集って悲しみを聞き合う場所だったのではないかと思います。また、弱い者の声を聞く場所が同朋会館だったのではないかと思います。そして、そういう場所を仏教では「サンガ」と呼んできたのではないかと思います。」
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面白いという表現が適切かどうかはわからんが、面白かった。法話録なので、この法話を聞きたかったと思うし、この方のご法話をもっと聞いてみたいとも思った。
テーマがデリケートなのであれだが、テーマを通してきちんと親鸞さんの教えに沿ってお話されてるのがすごい。
「悲しみを法として、教えの言葉として聞いておられたのではないかと感じます。ですから、私にとって親鸞さんは、今現にましまして法を聞きたもうお姿、もっと具体的に言うと、今現にましまして人の悲しみを聞いておられうお姿です。」
この本の中で、一番印象に残ったのが、親鸞さんはお説教をされたのでは無く、教えを聞いておられた。今も私たちと一緒に聞いておられる。私の話を聞いて下さる存在だということだった。
なるほど、だから「悲しみを聞く人」なのだ。いつか長谷顕文さんのご法話を聞きたい。
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